生成AIを用いた自動学習アドバイジングの研究

近年、日本の高等教育では自律的な学習が重要視されています。しかしながら、中には自律的な学習に慣れていない学習者もいます。本来であれば、こうした学習者に対して教員が学習履歴や目標設定/振り返り等から学習者の状況を把握し、支援することが求められますが、教員が学生の状況を毎週確認してアドバイスをすることは困難です。

一方で、ChatGPTのようなLLM (Large Language Models) の進展により、教育を含む様々な分野で生成AIの利用が広がっています。

そこで本研究では、生成AIを活用してアドバイスを作成し、学習者の状況に合わせた自動アドバイジングの実現を目指しています。具体的には、オンライン学習で蓄積可能なLMS(Learning Management System)の学習履歴に加え、目標設定や振り返りなどのテキスト情報に基づいてプロンプトを作成し、LLMに入力することでアドバイスを取得します。

これまでに、LLMから得たアドバイス文が学習者の状況を考慮したものか評価を行い、学習者の特性を考慮しながらも、目標設定/振り返り内容を考慮したアドバイス文が生成されることを確認しています。 現在は、実際の授業に適応して有用性を評価するために自動学習アドバイジングを組み込んだ学習支援システムの開発を進めています。

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