物体検出を用いた廃電池分類システムの構築と検証

現在の廃電池の分別は熟練者の目視に依存しており、乾電池からリチウムイオン電池など、多種多様な電池を適切に分別するための実用化されたシステムが存在しません。

本研究では、廃電池の適切な分別と回収を図るための生成系機械学習モデリングを用いたシステムの構築を目指しています。

廃電池は汚れなどで分別の判断が難しい特殊な事案で、これを見抜くのが熟練作業といえます。そこで,敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて、実環境の電池の画像から汚れた廃電池を模擬的に生成し、これを学習データとして多量に使用することで,精度の向上を図ります。このため、まず、きれいな状態の電池の画像に対する物体検出モデルを作成し、その精度を評価します。次に、このモデルを拡張し、汚れや破損などの状況を含む実環境の電池に対応できるようにします。

これらのプロセスを経て、熟練者の経験知を模した学習プロセスを持つ、実際のリサイクル現場で稼働可能な廃電池判別システムの構築を目指します。


模擬電池の物体検出