HMDとセンサデバイスを活用したBLSセルフトレーニング支援システムの開発

  突然発生した心停止患者に対して、病院内で行われる一時救命処置(BLS)は救命率向上に大きく寄与していることが示唆されています。
加えて頻繁にこのBLSの講習,訓練を行うことで技術的,心理的にも成熟するといわれています。 しかし、看護師に対してのBLS講習、職業内訓練というものは様々なコストがかかり頻繁に行えない現状があります。 そこで本研究では、MR(Mixed Reality)と センサーデバイスを活用したBLSシミュレーションシステムを開発し、 看護師が自発的に学習できるセルフトレーニング環境を構築しました。 現実空間と仮想情報を重畳表示し、胸骨圧迫の深さ・リズムなどをリアルタイムで可視化することで、 従来のOJTを補完しつつ実践的な訓練を行えます。

  新人から達人まで5段階に分けた看護師のうち、まず達人を対象に評価を実施した結果、満足度や学習効果の高さが確認できました。今後は新人・中堅看護師への適用と運用面の検証を進め、看護師におけるコスト削減、BLS訓練の質・頻度向上による救命率のさらなる向上を目指します。


HoloLens2でBLSトレーニングをする動画