知識体系を持つ自律的学習支援システムに関する研究
学習者が互いに学び合うことで、システム自体も賢くなっていく、知的なeラーニングシステムに関する研究を行っています。
従来のeラーニングシステムは、教師が教材を作成し、学生に勉強させたい箇所をコースで設定するのが一般的です.これに対して、本研究では、自ら学ぶ・互いに学ぶという視点を大切に、システムは学生の自律的な学びを支援するインテリジェンスを持つべきと考えて研究を進めています。そこで、まず本研究で扱うシステムは、数学・情報・看護等の科目群に対する体系的な知識を持つものとします。その結果、例えば、学生の行ったテスト結果から自動的に判定した欠落知識に相当するコース(教材)を推薦してくれます。また、本システムでは、グループ学習で気づいた、学生の新たな知識を、作問の形で教材として作成することができます。そして、これを他の学生が勉強できるように、分かりやすく、知識のマップ(地図)上に配置・表示してくれます。また、新たな知識は、インターネットの別のサイトを活用して勉強することで得られることも良くあります。そこで、サイトの情報もシステム上に自動登録し、他の学生に紹介できるようになっています。このように、学習者同士が学び合い、またインターネットなども活用することで、システムは知識の内容を充実化できます。さらに、本システムでは、IRT等の強力な統計アルゴリズムを兼ね備えています。そこで、新しい教材を学習者が実際に学習することで得られる学習データや他の学習者の反応を解析することで、問題の善し悪しを自動的に判別できます。最終的には、学習者の知識レベルをシステムが自動的に判断し、その結果に基づいて最適な問題の提示も行える学習支援システムの実現を目指しています。