小学生、中学生向けのICT活用学習の提案

概要

 スマートフォンに代表されるように ICT が生活に浸透し、10代の子供達のスマートフォン所持率が 9 割近くに上っています。しかし、小学生や中学生向けの ICT 活用学習(e ラーニング)はあまり普及していません。そこで本チームでの研究は、小学校や中学校での実用的な e ラーニング活用方法などを提案し実証実験を通じて検証することです。北海道教育委員会と連携して北海道全域の小中学校で千歳科学技術大学の e ラーニングシステム「CIST-Solomon」を利用してもらい実証実験を行なっています。現在(2019年5月)、92校、1万人規模の実証データがあることから、こうしたデータを分析する中で、有効な活用方法の検討を行い、コンテンツ・システム・サービスの観点での提案を図っていきます。また、スマートフォンでも e ラーニングが行えるように CIST-Solomon のモバイル(スマートフォンやタブレット)対応版の開発も行なっています。

eラーニングシステムの活用方法の提案

 小学校や中学校でeラーニングを利用すると、データベース(情報を保管しておく保管庫)に問題を解いていた時間、勉強していた時間帯、テスト結果などの学習の履歴が保存されます。

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図1 利用から解析までの流れ


 eラーニングシステムの活用方法の提案を行うために、データベースに保存されている学習履歴を解析し、その結果から、問題がみやすかったかなどコンテンツが適切であったのか、小・中学生でも扱えるような簡単なシステムなのか、勉強をするために機能が充実していたかなどの問題点を洗い出し改善を行い、小学校や中学校でどのようにeラーニングを活用するべきかを提案しています。

子供向けモバイル対応eラーニングシステムの開発

 子供のスマートフォンの所持率はパソコンを上回っているのに、CIST-Solomonはパソコンでの利用を想定し作られている。そこで、CIST-Solomonの子供向けモバイル対応 e ラーニングシステムの開発を行なっています。システムの開発にあたり、マイクロラーニングというモバイルシステムを構築するための原則を用いて、スマートフォンなどでも扱いやすいシステムの構築を目指しています。