データマイニング手法を用いた知的学習分析システム

 大学に通う学生一人一人の状況をシステムが常に見つめて、早期に問題を抱える学生を自動的に発見できるシステムの確立を目指しています。
 ビッグデータ・データマイニングに代表されるデータ活用技術は、情報システム上のデータを有効に活用して、有益な情報の取得を可能とする手法として、その応用が期待されています。本研究では、これを大学教育(経営)に活かそうと考えています。少子化と大学進学率の上昇に伴い、多様な学習状況の学生が入学する時代になりました。そのため、一人一人の学習態度や学力に応じたきめ細かい学習支援を行うことが必要で、早めの対策を行うことで学生の退学率の低減にも繋がることが期待されます。これは大学教育と経営両面から、非常に重要なテーマになっています。
 本研究では、データマイニング手法(幾つかの教師無しのニューラルネットワーク手法(SOM等)を活用して、過去の学生の様々な在学情報(成績、出席、宿題の状況、将来計画、今の学習態度・・・・)を自動的に学習できるインテリジェントなシステムの開発を行っています。本研究のシステムを活用することで、大学関係者や学生自身が、在学中の学生の学習支援の度合いを、リアルタイムに把握できるようになります。タイムラグを無くし、迅速に対応できるシステムにするため、ビッグデータにおける情報システム活用で期待される、ビジネスインテリジェンスを想定したシステム設計手法を取り入れて研究を進めます。
 本研究では、実際に大学で利活用できるサービスの実現を目指し、これはGSDのプロジェクト学習や卒業研究として取り扱います。具体的には、上記のコアシステムを活用することで、入学段階の学生のモチベーション判断システムや退学者未然防止システムなどが考えられます。

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